勝手に期待していた
テレビに流れる情報は殆ど東京中心の事で
都内の気温が、都内に新店舗が、新気鋭のスイーツが。
と片田舎に生まれた俺には当時縁の無い事で
ある程度流行りの指標なのかなって考えて程度だった。
18時台のニュース番組で一度は聞いたことのある
「眠らない街 東京 ・○○」
画面に映し出されるのは煌煌と光類繁華街。
新宿歌舞伎町、渋谷センター街、六本木。
それをテレ東のアニメとCMの隙に観ていて
東京はすごいな、煌びやかだな、と思っていた。
実際、蓋を開けてみれば何てないことで
0時辺りでラストオーダーの店が多く、終電も過ぎればシャッターが並び、眠らない街とは名ばかりで道行く人も疎ら。
あの頃思っていた2.5次元の東京はそこには無かった。
昨夜メンバーと渋谷で飲み明かしている際
「千葉と渋谷は変わらないね」
言い得て妙な良いところを突いた話になり、思い巡らせた。
何かを求めて都に出向き、実際虚構の街で
ハリボテな事に気付く。
渋谷に至っては「なんでも在って何も無い街」とまで言われている昨今、
対象が多く、広過ぎて一個人では全体を変えられないと思う。
けれど少なくとも己だけは、周囲のコミュニティだけでも煌びやかにそこに在ろうと、努めようと考えている。